この時期、太陽が地平線に沈んでから漆黒の闇になるまでの数十分間、
空がきれいな青色に包まれる時があります。
この現象をブルーモーメントといいます。
これは名農のグラウンドから真上を撮影した夕方の全天写真。
右が東、左が西。名久井岳の方向は左上の角あたりですが、
ブルーブラックのグラデーションがとてもきれいです。
これから空が澄んでくる冬になると
より美しい青になるので、ぜひ空を見上げてください。
2016年、チームフローラフォトニクスは
国立極地研究所が公募した極地研究テーマに応募したことがあります。
提案した内容はブルーモーメント。白夜になる頃の南極は、
太陽高度が低い状態がずっと続くので、きっと長い間
美しいブルーモーメントが現れるはずだというものでした。
するとどうでしょう。なんと提案が採用されてしまったのです。
恐ろしいことにデータは研究所がとりますが、分析は提案者がやるというルール。
採用が決まって10ヶ月ぐらいたった頃、フローラに届いたのは
昭和基地で数ヶ月間撮影されたタイムラプス動画。
膨大なデータ量です。分析はメンバーみんなで行いましたが、
ブルーモーメントは予想通り、2時間以上も続いていました。
さらにチームはブルーモーメントの映像をコンピュータで
RGBに分けて分析。そして色の変化を太陽の高度と関連させて
極地研究所で報告しました。するといつも厳しい先生方から
分析手法と結果についてお褒めの言葉をたくさんいただき
みんなホッとして青森に帰ったのを覚えています。
でも一番嬉しかったのは、南極の映像を分析していると
日によってオーロラが見えること。これには感動しました。
そして一度でいいから本物のオーロラが見たいと思ったものです。