環境システム科ではビジネスについても学びます。
ビジネスマナーなど学ぶのは商業高校と同じような内容ですが
農業高校ならではの内容も扱います。
例えば種苗法。ひとつの品種を取り上げて
そのストーリーに絡めて育種や品種を守る大切さなどを感じてもらいます。
その際、ときどき教材として出てくるのが本物の農産物。
なぜなら話題にする作物を知らなければピンとこないからです。
先日登場したのは、この立派な青ブドウ。
ご存知、日本が誇る高級品種「シャインマスカット」です。
いかに南部町がフルーツの里とはいえ
「シャインマスカット」を食べたことがない人もいるからです。
シャインマスカットは農研機構が30年もの年月をかけて開発し
2006年に品種登録をしました。しかし輸出することはないだろうと考え
海外での登録はしませんでした。これが大誤算。
それが理由で近隣の国々が数年後、大量に栽培を開始したのです。
一房1万円もしたシャインマスカットの価格は大暴落。
日本の努力の結晶で近隣諸国が儲けているという大失敗は
教訓として多くの方が知っている話です。
品種育成がいかに労力とコストがかかる取り組みなのか
想像しやすい環境にある農業高校生なので、よく理解してくれます。
また今年4月にそれを防ぐ改正種苗法が施行されたのも納得します。
甘いシャインマスカットを頬張りながら課題と解決策を考える。
味覚と知識をリンクさせて覚える農業高校ならではの学び方です。