フローラハンターズにはJr.出身の女子メンバーがいます。
彼女は昨年の1年生の時から、研修生として環境班で研究をしています。
そのため今年から始まった課題研究なのに、彼女はすでに2年目。
キャリアとしては3年生と同じなのです。
さてそんな彼女が取り組んでいるのは乾燥地での塩害抑制研究。
しかしここは北国青森。塩害が発生している様子は目にすることができません。
目にするのは地表に何やら塩の結晶のようなものが染み出してきた写真だけです。
彼女は、かつて先輩が大学の先生から教わった塩害土壌の作り方にしたがって再現。
その土を大きな容器に充填し、地下にわずかな灌水をしながら
ガラス温室に設置して塩類集積が起きるかどうか、
また自分のアイデアで抑制できるかどうかを試しました。
その結果、彼女にとっては想定どおりの結果が現れて手応えを感じたようです。
でも2年間も取り組みましたが、写真で見たような塩類集積現象は現れませんでした。
覚悟はしていましたが乾燥地を再現するのはそう簡単ではないようです。
今年のデータ収集は夏休みで終了。そろそろ、ほったらかしにしていた
装置を片付ける計画を立てようと思った先日、不思議なものを発見しました。
これがその時の写真。少し明るい色の土が盛り上がっています。
それは触るとすぐ崩れそうなぐらい繊細なもの。
まるでカビでも生えたかのようです。もしかしたらと思い分析した彼女。
とんでもない量のナトリウムが含まれているのがわかりまたびっくり。
カビのようなものは水分の蒸発でできた塩の結晶だったようです。
実験を始めて1年半、とうとう塩類集積を目撃することができました。
彼女の頑張りを見守った女神フローラが、
最後に見せてくれたご褒美かもしれません。