
鮮やかな青が美しいムラサキツユクサです。
日本中どこでも目にすることができる植物ですが
実はとんでもないペテン師なのです。それが雄しべ。
植物が昆虫を招いて受粉を手伝ってもらいますが
おびき寄せるのに用意するのがご馳走。つまり花粉です。
ミツバチなどの主食は糖分たっぷりのハチミツ、
おかずとしてミネラル豊富な花粉を食べています。
したがって美味しい料理を並べて昆虫を誘うのですが
花粉を大量に作るにはエネルギーが必要です。
そこで省力化したいムラサキツユクサはなんとダミーの花粉を作りました。
この花には飛び出た雄しべ(青丸)の他に、
花の中心部に違いところにも雄しべ(赤丸)があります。
ずいぶんと皿を並べたものです。
でも赤丸の雄しべは、なんとなく黄色が鮮やかすぎると思いませんか。
実はこれがダミー。食べられない食品サンプルです。
この巧妙な仕掛けに騙されて、まんまとミツバチはおびき寄せられてしまうのです。
でも驚く仕組みはまだあります。なんと開花してしばらくすると青丸の雄しべが
クルクルと花の中心部、つまり雌しべと一緒に巻き取られてしまうのです。
これは万が一、昆虫がこなく受粉できなかった場合、
自家受粉して子孫を残そうとする力づくの作戦。
食品サンプルまで並べた豪華な料理の無償提供、
さらにダメおしの自家受粉。ムラサキツユクサ はとんでもなく心配性です。
顕微鏡で覗くと赤丸と青丸の違いがはっきり分かるので
ぜひ自由研究で確かめてください。
さて地域の小中学生対象の名農主催のコンクール「アグリチャレンジ」。
締め切りは9月17日。要項はこちら。お待ちしています。