遺構と呼ぶには新しすぎますが
10年以上も前に使われなくなった昔の畜産科の建物です。
用途は牛舎。かつて乳牛や肉牛が飼育されていました。
それこそ昔はここで搾乳されたミルクを加工して「名農牛乳」が製造されていました。
初めて名農に勤めたころは、この濃厚な牛乳を購入しては毎日飲んだものです。
もちろん懐かしのビン牛乳。冬などは蓋にバターがたっぷりついていて
美味しかったのを覚えています。
当時、農業高校では家畜を飼育するのが当たり前だったので、
どこの学校に行っても名物牛乳があったものです。
しかし今は、ほとんどの学校でなくなってしまいました。
名農にはこの牛舎の他に、豚舎や鶏舎もありました。
環境システム科の建物を作るために、
残念ながらこちらの建物は取り壊されています。
思い出はなんといっても畜産加工品。
豚はベーコン、鶏はクリスマスになると丸焼きにされ大人気でした。
そういえば時には、本物の七面鳥も丸焼きになったものです。
牛乳といい、ベーコンや丸焼きといい、思い出が味覚とリンクしています。
また家畜が飼育されていた頃は、動物をみようと地元の保育園などが
毎週のように来校。学校は小さなお客様で常に賑やかでした。
家畜がまったくなくなった名農は、うるさいハエはぐんと減りましたが
子供たちの元気な声も消えてしまいました。
静かな農場の一角、ちょっと寂しく感じます。