麗峰名久井岳を背に、一級河川の馬淵川が南部町のど真ん中を流れています。
この川の源流は岩手県の葛巻方面。今見ている方角です。
諸説あるようですが、アイヌ語で大きな川を意味する「マベツ」が
名前の由来ではないかといわれています。
このようにゆったりと穏やかに流れている馬淵川ですが
時として氾濫を起こす川でもあります。氾濫の原因は岩手県に降った雨。
かつて名農の代名詞であった「気象班」に関わっていましたが
主担当の先生は台風など大雨を降らす低気圧がくると
常に天気図を眺めては、氾濫の予測をしていました。
当時はインターネットなどなかったため
リアルタイムに情報を得る方法は船舶用の気象無線。
受信した天気図をFAX用紙に印刷しては分析していました。
時々手にとって見ましたが、情報はプロフェッショナル用。
素人には難しかったのを覚えています。
岩手県の雨量を見て「氾濫する」と判断しますが
本当にその数時間後には馬淵川の支流があふれ
南部町周辺は大洪水するのには、毎度のことですが驚いたものです。
それも気象観測所のある第1農場は3mも水没するのです。
そのため氾濫するわかったら、それは大忙し。
短時間でここから脱出しなければなりません。まさに時間との競争です。
また脱出する前に農機具、農産物を高台に運ばなければなりません。
生徒ともに農場にある背の高い収納倉庫の屋根裏に何度も登って
気象観測の貴重な資料や機材を運び入れたのを今も覚えています。
近年の大洪水は10年前ですが、昨年も避難指示が出されています。
これから台風のシーズン。令和になった今も日頃から脱出の準備が必要です。