
この時期、たくさんの方が検索しているのが摘果した幼果の利用法。
モモやリンゴなど果樹にはたくさんの実ができますが
そのまますべて放置すると大きくなりません。
そこでいいもの以外は間引いて大量に廃棄されます。
廃棄されるものを有効利用しようというのは農業高校研究の定番。
かつて環境班はチームフローラフォトニクス時代から
何度もチャレンジしてきました。なんといっても大ヒットは
皆さんあまり食べなくなった地域特産の妙丹柿の渋抜き法の開発。
なんと最初は紫外線で成功。さらに改良を加え最後は
真空パックで簡単に硬いまま脱渋できることを発表しました。
最近はフローラ解散の2年ほど前に取り組んだリンゴの摘果利用。
ご覧のようにピンポン玉ぐらいの小さなリンゴです。
たくさんの方がチャレンジしていますが、利用しにくい問題点があります。
それが渋味、エグ味。フローラの女子たちが体を張った実験の結果
この渋味は果実中央。種周辺にあることを突き止めます。
逆に果肉部分は甘さこそありませんが、
しっかりとリンゴの風味が残っているため利用できると判断した彼女らは
芯をくり抜いて加工を開始。いろいろと作りましたが
中でもアップルソースは秀悦。まだ幼果なので紅玉やレモンを入れなくても
程よい酸味が広がるのです。また摘果リンゴにはクロロゲン酸という良質な
ポリフェノールg含まれていることがわかり大いに評価されました。
柿もリンゴの幼果もそのままでは食べられる代物ではありません。
作っては、もがき苦しむという体を張ったまるでコントのような
トライの末に得た貴重な成果です。夏が終わると一段落するフローラハンターズ。
また摘果利用研究でもやろうかと園芸科学科から幼果をいただき
今は時が来るまで冷凍庫で大切に保存しています。