これはイチゴの花です。
いつも見慣れているタイプよりは小さく
どちらかといえば野イチゴのような感じです。
これはホワイトディライトという外国産のイチゴ。
原種に近いので、指の爪ぐらいの小さな実しかつきません。
ところがこの実はホワイトという名の通り真っ白なのです。
食べてみると大粒の甘いイチゴとは比べものになりませんが、
ちゃんと甘さも香りもあります。
かつてTEAM FLORA PHOTONICSは花の育種に魅せられていましたが、
世界にひとつだけの植物を創ろうという興味はイチゴにも向きました。
そこで栃木県のイチゴ研究所に育種の方法を教えてもらい
結成直後、2年生の女子メンバーたちが取り組みました。
この白いイチゴはその時の親株にしたものです。
初めてのチャレンジながら採種に成功。
播種して数株育てていましたが、悲劇に襲われます。
なんとこの年は冷害。いつまでたっても梅雨が明けません。
低温と多湿。まだ馴化温室を使っていない頃だったので
心配したとおり灰色カビ病が発生。苗は無残にも枯れてしまいました。
研究対象がなくなって困った2年生は、大活躍している先輩の
白いリンゴ研究を引き継いだ記憶があります。
白いリンゴを初めて世に出した3年生が
いつもマスコミに取り上げられましたが、引き継いだ彼女たちは
翌年科学的にさら調査し、東大で行われた農芸化学会で発表。
なんと最優秀を受賞しました。いろんな意味で忘れられないイチゴです。