
先日まで見事な花を咲かせていたクリスマスローズ。
いったい今はどうなっているのでしょう。
ぱっと見た感じでは花弁のような
ガク片が散らないため、ほとんど変わりません。
しかしよく見ると花の中央部が膨らんでいます。
これが子房。全部で5つの袋に分かれています。
これは雌しべの柱頭の先が、リンゴの花と同じように
5つに分かれているからだと思われます。
ご存知の通り、リンゴは人工受粉が欠かせません。
それは確実に着果させるという理由のほか、
歪なリンゴにしないという目的もあります。
リンゴの柱頭も5つに分かれています。
だからリンゴを切ってみると種子が5つの小部屋に入っています。
しかし、もし4つしか受粉しなかったら、
空き部屋がひとつできるので、その部屋は膨らみません。
すると果実がきれいな球ではなく、歪になってしまいます。
どうやらこのクリスマスローズは自然のままですが
無事受粉が成功し、空き部屋ひとつない満室となったようです。
人工受粉で大忙しの農家の皆さんですが
いろいろな目的がある大切な管理作業なのです。