薬草の水耕栽培に挑むフローラハンターズの男子。
彼が春休みからせっせと作ってきたのがミスト栽培装置。
この発想は昔からありますが、実用化が難しいのか1度も市販品を見たことがありません。
これは彼が製作した心臓部ともいえるミスト発生ユニットです。
加湿に弱い薬草たち。水耕栽培では何度となく根腐れを起こし
途中で枯らしてしまいました。しかしそんな先輩たちのおかげで誕生したのが
このミスト栽培装置。よく夏の暑い日のイベントなどで、
細かい霧を発生させ、その気化熱で気温を下げようとする試みを目にします。
不思議なことに霧なのにベチャベチャに濡れません。
実はドライミストという微細な霧だからです。
発生原理は超音波。水中で超音波振動子を震わせることで
細霧を発生させています。彼はその超音波振動子をプラ容器の中に
5つ連結させて搭載しました。2つあれば十分な霧を作りだせますが、
安価な超音波振動子は耐久性も問題から24時間連続で動かせないという欠点があります。
そこで彼は5つの超音波振動子を3系統に分けて連結し、
15分ずつリレーションさせながら噴霧するというシステムを作ったのです。
それぞれの超音波振動子が動かないよう繋いでいるのは、なんと割り箸。
彼がお弁当を食べるために山ほど持ち歩いているもので作りました。
栽培するとこの部分は容器の中に入ってしまうので見えなくなってしまいます。
果たしてちゃんと動くのでしょうか。
もし設定ミスがあって何時間も噴霧できなかったら間違いなく萎れてしまいます。
まるで宇宙船「はやぶさ」を打ち上げる心境。
苗の準備はできましたが、何度も何度も動作確認が続いています。