ここは生物工学実験室の中にあるクリーンルーム。
おまけで併設したような小型ではなく10畳以上もある大きな部屋です。
見えている四角い装置はクリーンベンチ。この中に4〜5台も据え付けられています。
クリーンベンチは無菌操作に欠かせない設備。
さらにここは部屋ごと無菌にしたクリーンルームなので安心して作業ができます。
さて現在、生物工学実験室に入り浸りな環境班ですが
大先輩である2代目TEAM FLORA PHOTONICSも常連さんでした。
それもこのクリーンベンチをです。もちろん無菌操作などはしません。
なんと真空パックに詰めた渋柿である妙丹柿をクリーンベンチ内に入れて
UVCの殺菌灯を照射する実験です。目的は渋抜き。
渋は酸欠状態にすると抜けることがわかっています。
お湯や焼酎などで脱渋するよりも無味無臭の光の方が
絶対美味しく渋が抜けるはずと仮説を立てたのです。
初めての渋抜き実験。渋が抜けているかどうかがわからない女子メンバーたちは
恐る恐る食べては悶絶していました。
しかし肌が紫外線で黒くなった妙丹柿を食べてびっくり。
なんと渋が抜けているではありません。鮮やかな脱渋マジックです。
この紫外線で渋を抜く技術は、秋の京都大学で開催された
科学技術アイデアコンテストでグランプリを受賞。
今では地元の農産加工会社がこの原理を使って渋を抜いているようです。
それ以来、このクリーンルームに入ることもなくなりました。
今も印象に残る思い出の研究でした。