
この真っ白いキノコをご存知ですか。
キノコで有名なホクトが育成したブナシメジの「ブナピー」に
よく似ていますが違います。これは「はつゆきたけ」。
なんと皆さん大好きなナメコの突然変異種で青森県で発見されました。
実は15年以上前、県の林業試験場のご協力を得て
このはつゆきたけをリンゴ剪定枝で栽培する研究を行っていました。
当時、はつゆきたけは県内、それも田子町という隣町だけで栽培されていた特産品。
生徒たちと取り組んだ結果は、ビギナーズラックでなかなかのでき。
青森県のリンゴで青森県ならではのはつゆきたけを栽培するプロジェクトは高評価でした。
気になるのは最近、地元スーパーではつゆきたけの姿が見えなくなったこと。
食感がよく、それは美味しいキノコだっただけにちょっと不安です。
研究班は、はつゆきたけと一緒に人気のエリンギの栽培にも挑戦していました。
エリンギはエリンジュウムという草花の根に生えるキノコなので
栽培できるか不安でしたが、こちらも簡単に栽培でき、
栽培キットを自作しては皆さんに無償配布した記憶があります。
逆に栽培を諦めたのはマッシュルーム。こちらはオガクズではなく土で栽培するもの。
栽培法がちょっと違うので断念しました。キノコ嫌いのメンバーもいましたが、
何もない培地からニョキニョキと顔を出してくるのは不思議な光景でみんな興味津々でした。
そんな栽培研究を行っていた際、LEDをキノコの照射する実験もしていました。
すると何度やってもLEDの波長によって不思議なことに傘の色が濃くなったり、
傘の下の柄の部分の長さが長くなったり短くなることに気がつきました。
しかしどこにもそんな文献はありません。そこで国など多くの試験場に問い合わせた結果、
キノコは光を感じないので、波長で変化するのは考えられないといわれてしまいました。
当時、キノコにLEDを照射する変わり者がいなかったので研究例がなかったのだと思います。
結局、理由不明のままプロジェクトは数年で終わり、生徒たちは卒業してしまいました。
キノコに光受容体が発見されたのは、その数年後。あの現象は偶然ではなかったのです。
研究班が時代よりちょっと先を歩いていた頃のエピソードです。