サンパチェンスの鉢花を手渡しているのは2016年のフローラ。
彼らは2015年、草花班から環境班に名を変えて歩み始めた
環境システム科初代メンバーである3年生に協力して
水質浄化システムBIO-ENGINE TYPE3を使って池の浄化を行いました。
しかし自分たちが3年生になった2016年、サンパチェンスの
優れた光合成能力を活かして今度は空気浄化システムの普及活動に取り組みます。
なぜなら2013年、たった4名だった園芸科学科時代のフローラが
サンパチェンスが大きな気孔から二酸化炭素をどんどん吸収すること、
さらにホルムアルデヒドや臭いの除去能力も高いことを
実験で実証していたにも関わらず、普及活動まで行かずに卒業されたから。
そんな不完全燃焼研究にもう一度光を当てた彼らは、積極的に普及に努めます。
町の役場、学校、公民館や病院、図書館。配った鉢は数十鉢にもなります。
この写真は名農が毎年行っている岩手県山田町の花植え活動に参加した際
仮設住宅に住んでいる被災者の皆さんにサンパチェンスをプレゼントしているところ。
仮設住宅は新築なのでホルムアルデヒドの問題が指摘されていました。
また高齢者の多くが1日中室内で過ごすことから空気浄化はもちろん、
狭く殺風景な部屋に花を飾ることに意義を感じ、立ち上がったのです。
何の変哲もない普通の鉢に見えますが、実は暗い室内でもちゃんと咲くよう
アミノレブリン酸によって光合成を盛んにさせる仕掛けが施されていました。
このようにフローラは2011年の震災時から、マイクロバブルによる除塩や
エアークリーニングプランツの提供というスタイルで八戸市や山田町の
復興支援に協力しならがら、自分たちの心を育ててきました。
あれから10年、あらためて逆にフローラを励ましてくださった被災地の方々に感謝します。
確か今、この仮設住宅は取り壊され、みなさん新しい一歩を踏み出されているそうです。