
2011.3.11の大震災を乗り越えた種差海岸。
翌年、海岸には復活したサクラソウが咲き
フローラの手元には人工受粉によって誕生したサクラソウが残りました。
さてこのサクラソウ、今どうなっていると思いますか?
実は環境班の手元にはもうありません。
もちろん県や関係者によって許可をいただき採種して誕生した貴重な個体。
枯らしたわけではありません。
今、この種差海岸のサクラソウは筑波大学にあります。
というのはサクラソウの保全活動を行う際、素人考えでは危険なので
保全生態学の権威である東京大学の鷲谷先生や同じく専門家である
筑波大学などたくさんの方々からアドバイスを頂きました。
ある日、フローラの女子たちが岩手県のサクラソウ関係者の集まりに招かれ
今までの活動を発表した際、鷲谷先生がわざわざ東京から駆けつけ
具体的にアドバイスを頂いたくらいお世話になりました。
みんなは忘れてしまったようですが、実は彼女たちが高校受験をした際の
国語のヒアリングの問題は、この鷲谷先生を取り上げたものでした。
なんてドラマチックな出会いなんだろうと、こちらは一人で感激していました。
さてフローラの解散が間近に迫った2017年、当事者がいなくなり
管理できなくなれば貴重なDNAが失われると考えたフローラは
八戸市などお世話になった関係者に事情を説明した上で
筑波大学の研究室に管理してもらうことにしました。
当時、フローラのOGが筑波大学でサクラソウの研究をしていたので、
それも移管をスムーズに行う助けになったのはいうまでもありません。
何はともわれ、今も八戸から遠く離れた茨城県で花を咲かせています。
震災から10年、きっと故郷である種差海岸の夢でも見ているはずです。