ここは東日本大震災から2ヶ月後の岩手県山田町。
フローラの3年生はマイクロバブルによる除塩の実証試験をするため訪れました。
バス1台でやってきた他の名農生は高台の山田高校で花植え、そして交流会。
しかしフローラだけは少し離れた海岸沿いの大きな花壇で除塩活動。
まずは土壌のサンプルをその場で採取してECの測定。
数値はやはり高く、このまま植えても塩害に弱い花は育たないのを確認しました。
その後はトラックで持ち込んだ耕運機を女子ながらたくましく操り耕運。
そして同じく持ち込んだ大量の水と発電機でマイクロバブル発生装置を動かし
除塩と花植えを繰り返したのを覚えています。
すると不思議に思ったのが、道ゆく岩手県のマスコミの方々。
新聞やテレビ局の方が車を止めては何をしているのか尋ねてきます。
青森県の女子高生が花を植えるためやってきた?説明するたびびっくりされます。
最後にやってきたNHK岩手の方は「まだここにいますよね。
テレビカメラ持ってきます」というと立ち去り
その数十分後には、このような取材を受ける羽目になりました。
一番困ったのはなぜ除塩効率が良いのかという質問。
当時のフローラには除塩できるという現象こそ確認できていますが
理由がよくわからなかったのです。仕組みがわからないのに実証試験を
行うとはなんと大胆。今話題のワクチン開発だったら叱られてしまいます。
しかし被災地に花を咲かせ、早く元気になってもらいたいという
気持ちだけで走っていました。この様子は広く東北地方のニュースで紹介されたそうです。
また後日、山田高校生の調査によると除塩しなかった場所は枯れてしまったけれど
マイクロバブル除塩の花壇は花を咲かせてくれたとのこと。ひと安心でした。
でも問題だったのは取材対応に時間がかかったこと。南部町まで何時間もかかります。
花壇脇に止めている大型バスからは、早く帰らないと夜になるからと急かされる有様。
朝6時頃学校を出ても数時間だけの滞在。休まず活動した名農生は
あっという間に眠りについていました。