この器具がなんだかわかりますか?
これは植物を成分を分析するために、潰して水分を取り出す器具。
搾汁器です。果物など水分が多いものは、このような搾汁器など
使わなくても採取できますが、ホウレンソウなど葉菜類はたいへん。
そこで比較的潰しやすい葉柄を挟んでこのような搾汁器で潰しますが
薄い葉身ではなかなか水分が出てきません。
したがって大量のサンプルが必要になります。
これを測定器にかけて糖度やビタミンなどを測定しますが
フローラの2代目が取り組んでいたのは硝酸イオン濃度の測定。
あまり濃度が高いと体に悪影響を与えるからです。
日本ではそんなにうるさくいう人は少ないのですが、
海外、特にEUは厳しい基準を設けておりクリアしないと販売できません。
そこで2010年、フローラのあるメンバーが小松菜を使って
どうすれば抑えられるか研究をしていました。
その結果、当たり前ながら過剰な施肥をしないこと。
吸収されても利用できなかったものが葉や茎に残留するからです。
また天候が悪くて光合成が思うようにできない場合も使いきれず濃度が高くなります。
彼のアプローチは2つ。光を感じやすくなる植物ホルモン「ブラシノステロイド」の
生成阻害剤であるブラシナゾールを散布すること。明らかに減少します。
しかしこの薬剤は農薬登録されていないので現実には使えません。
おそらく今なら同じ効果のあるアミノレブリン酸なら登録されているので使えるでしょう。
もうひとつがLEDの照射。人工光を照射すればヤマセの影響で
春夏、曇りが多くなる南部地方でも光合成が盛んになり濃度を減らすことができました。
フローラがまさにPHOTONICSだった頃の研究です。