ここに小松菜の葉が2枚あります。
栽培時期は1月〜2月。もちろん屋外では栽培したものではありません。
左は温室内で加温して育てもので特に形状の変化はありません。
しかし右はちょっと違います。葉の色がずいぶんと濃いのです。
理由があります。これは寒気にさらして育てた小松菜なのです。
これが有名な寒じめ栽培。東北農業研究センター、かつての東北農試が開発した栽培法で
糖度、ポリフェノールなど機能性が向上するため人気です。
一般には秋からハウス内で栽培し、出荷2週間ほど前から外気を入れて寒じめにします。
ところが最近は、年中効率よく栽培できる水耕栽培が増えてきました。
では水耕栽培では寒じめはできないのでしょうか。
それを試したのがハンターズ。今から1年前の1月〜2月にかけて試験が行われました。
この時期、南部町は最高でも氷点下。いくらビニールハウスでも外気を入れたら
水たまりが凍るように養液槽やパイプが凍結してしまいます。
もちろん生長も止まります。そこでハンターズは養液を温める作戦をとりました。
すると極寒のハウスの中でも小松菜が育つではありませんか。
収穫された葉がこの右側。葉が濃く厚くなるという寒じめの形状を備えています。
そこで糖度を測ってみたのですが、残念ながら温室で加温して育てたものと大差なし。
寒じめにするポイントは根圏を低温にすること。どうやら肝心の根圏を温めたのが
敗因のようです。当時ハンターズは三和土研究に本格的に取り組まなければならないため
残念ながら時間がなく、この実験はここで中止。お蔵入りしてしまいました。
でもこの葉の色や艶。ポリフェノール量を測定したら絶対違いがあると思いませんか。
また室内全体を暖房するのと養液だけを加温するのではどちらが省エネでしょう。
まだ終わっちゃいない。もう少し深掘りしてみるとお宝になるかもしれません。