さてこちらは2012年の農業クラブ機関誌の「汗」です。
これは園芸科学科のチームフローラフォトニクスが初めて
ストックホルム青少年水大賞に出場した年のもの。
やはり世界に飛び出していったメンバーが表紙を飾っていました。
大会出場は2011年3月11日の東日本大震災によって津波被害を受けた
海岸のサクラソウ救出やマイクロバブルによる塩害土壌改善が評価されてのものでした。
本当なら熱い思いでレスキューチームを立ち上げた先輩が出場するべきですが
2012年3月に卒業してしまうので、代わって後輩たちがチャレンジしたのです。
後輩たちは女子5名のチームですが、出場できるのは当時のルールで3名だけ。
嬉しいことに彼女たちが入学した年の園芸科学科は、高校入試で特に倍率の高い学科として
新聞に取り上げられたぐらいの高倍率。それを突破しただけあってみんな優秀でした。
全員が納得する理由を無理やり探して2名を選びましたが
落選して涙を流した子もいたぐらい。こちらも辛い選択でした。
なぜ2名?もう一人は誰?実は生物生産科野菜班の男子でした。
実はこの男子、海岸のそばに住んでいるため津波被害を受けているのです。
種差海岸に詳しいこと、震災の証人であることなどの理由で生徒会長と忙しい身でしたが
仲間としてエントリーしてもらいました。彼も優秀で卒業後は筑波大学に進学しています。
普段の課題研究は別々のチームで活動し、放課後に集まっては練習。
考えると相当やりにくい体制でしたが、この経験がのちのグランプリにつながっていきます。
残念ながらグランプリには手が届きませんでしたが、世界への道を拓いた3名でした。
卒業前の校内プロジェクト発表会。最後もう一度発表することになったフローラは
国際大会で発表した3名を発表者にして、他のメンバーは健気にPCサポートにまわります。
とはいっても3名が世界に挑戦している間に、他のメンバーも別の大会で3つの日本一。
さらに2年生を引き連れ、農業クラブの東北大会に出場するなど大暴れでした。
そんな彼女たちをバックに従えて世界を見てきた3名が前面に立つ。
ものすごく贅沢な布陣でした。確か最後の発表をした時のチーム名は
「TEAM FLORA PHOTONICS featuring ●●●」
●●●はゲストとして迎え入れた男子の名前。頑張った彼に最大の敬意を表しました。
さて問題は2020年の表紙を飾る人物。果たしてハンターズになるのでしょうか。
またハンターズといってもメンバーは4名。もしハンターズだとしたら
表紙は受賞した二人か、はたまた全メンバーか。みんなに届くまでもう少しです。