本日2月12日は、旧暦の1月1日。
つまりお正月です。先人は今頃、新年を迎えていたんですね。
でも確かに旧暦の方が寒さも過ぎ、だんだん暖かくなってくる頃なので
新しい年になったというのが感じられます。旧暦は中国では「農暦」とも呼ばれ、
生活や農作業にぴったりだといわれているそうですが、妙に納得してしまいます。
さて春になったとはいえ、まだ寒いこの時期、
先人はいったいどんな暮らしをしていたのでしょう。それは記録として残っています。
まずは男性。キジ撃ち、ウサギ狩りという狩猟の他、
縄ない、つまご・みの作り、柴刈りなど農作業の準備をしていました。
次は女性。凍み大根(寒大根)や干し菜、漬物などの食材作り、
さらに炭すご、野良着作りなど生活に関する仕事が担当でした。
主食は米がとれない地域なので、毎日があわ飯、ひえ飯、そして蕎麦。
雑穀です。また面白いことに海沿いじゃない地域も
身欠ニシンやニシン漬の漬物をよく食べていました。
それは北海道のニシンの豊漁。「石狩挽歌」という歌がありますが
明治時代、北海道では年間100万トンというニシンの豊漁に沸き、
ニシン御殿が建ちました。当然この地域の人たちも出稼ぎに行ったといいます。
そんな時代だったので、どの家でも身欠ニシンを箱買いしていたようで
ニシンを使った料理が各地に生まれています。
そういえば子どもの頃のおやつは身欠ニシンでした。
ところが1957年、ニシンが突然北海道から消えます。
乱獲、気候変動いろいろいわれますが、ニシンが消えた町は一気に廃れていきました。
昔のようで最近の話です。ところがここ数年、またニシンが北海道に戻ってきています。
とはいっても2万トン弱ですが、帰ってきたニシンが注目され始めています。
ところがニシン料理などしなくなった今の北海道民。
調理習慣がすっかりなくなってしまい、現在関係者が普及に努めているそうです。
今後が楽しみです。