環境システム科は名久井農業高校の中で一番新しい学科です。
農業と工業を融合させて学ぶというコンセプトは全国的に珍しく
普通の農業高校や工業高校では学べないユニークな学習が特徴です。
とはいっても農業も工業もともに専門学科。
それぞれ異なる基礎的、基本的な知識や技術を積み上げながら
経営者や技術者を目指して行きます。
ではどこで融合させるのでしょうか。
それがこの水耕栽培。育てているのはご覧のような葉菜で
いかにも農業という感じですが、水耕栽培はポンプで循環させた
養液で栽培する人工的な栽培法。室内栽培なので照明も必要です。
動かしたり、故障を直すには栽培装置の仕組みはもちろん、
電気や照明の知識が欠かせません。もちろん自分で作ることもします。
つまり環境システム科で扱う温室は、農業と工業を融合させる教材なのです。
この写真は販売するために栽培した野菜を袋に詰めているところですが
コストを考えながら販売したり、水耕栽培の長所を活かした
商品開発にチャレンジする商業的学習も行っています。
商業高校と違うのは商品を自前で持っているのはもちろん、
商品開発もできるところ。このように農工だけでなく
商までも融合されているのです。多くの専門高校の学科は
最初からある程度進路が決められていますが、名農は違います。
農業経営なのか、工業技術者なのか、商業の道に進むのか。
はたまた今年も国立大学に進学する人がいるように
大学に進学し、道を極めて行くこともできます。
体験しながら自分の興味のある道に進めることができる。
これが名農のいいところです。