
きれいに輪切りした果物が並んでいます。
これはミカンではなく、柿。
南部地方特産の妙丹柿という小ぶりの柿です。
北国には甘柿がなく、ほとんどが渋柿。
そのためアルコールなどで渋抜きしないと食べられません。
したがって地元のスーパーマーケットにはたくさんの柿が並んでいますが
すべて西日本で栽培された甘柿ばかり。
地元の妙丹柿はほとんど流通しないのです。
そんな妙丹柿の一番多い食べ方は干し柿。
干し柿にすると甘くねっとりとした果肉が引き立ち
とても美味しく食べられるようになります。
干し柿の産地はなんと南部町。毎年秋の風物詩として
オレンジ色のカーテンがニュースで取り上げられます。
ところがその干し柿作りがたいへんなのです。
まず妙丹柿は樹高10mにもなります。
さらにあまり流通に乗らないため更新されずみんな老木。
高齢化している農村では収穫するのに一苦労です。
またたくさんの果実の皮をむき、串に刺して吊す作業も大変なのです。
消費者から望まれず、生産者からも厄介者となってきた妙丹柿。
作物の場合、誰も食べなくなると絶滅する運命にあります。
野生植物の場合は、よく絶滅危惧種として問題になりますが
こちらも姿を消すという意味では同じなのです。
この輪切りの妙丹柿は渋抜きの実験。
このまま寒風にさらして渋を抜く実験をJr.が試しています。