学校から眺めた11月下旬の名久井岳です。
草紅葉もすっかり茶色に変わり、景色はどんどん彩度を失っています。
名久井岳にかかっているのは妙丹柿の枝。南部柿ともいう渋柿です。
昔、南部の殿様がいただいてきたものが地域に広まり
南部地方の特産物になったといわれていますが
この流れは地域特産の食用菊と同じ。
ヤマセが吹いてお米がとれない住民のためを思ってか
南部の殿様はなんでももらってきたんですね。
農業クラブでは地域の農産物についてのプロジェクト研究を行うのが王道です。
名農も例外ではなく、かつて特産「食用菊」の研究で日本一を受賞しています。
また地域のナガイモやニンニク研究でも全国大会に出場していました。
最近では「南部太ネギ」。在来種の復活をかけた生物生産科の取り組みが
高い評価を受けました。このように農業クラブで評価される活動をしたいなら、
まだ残っている在来種や特産物に着目すると良いかもしれません。
とはいっても、ほとんどのものは一度は研究されていると思うのですが、
残念ながらまだ脚光を浴びていないものがあるのです。
例えば「糠塚キュウリ」。加賀太キュウリの系統の在来種です。
名農生も研究に取り組んでいましたが、まだブレイクしていません。
またこの妙丹柿もそう。かつてフローラが取り組んでいましたが
それは新しい渋抜き技術や食べ方といういわば一発芸。
経営や加工など地域活性化を絡めた活動は誰も取り組んでいません。
今も南部地方の秋の風物詩として干し柿作りが毎年ニュースになりますが
農家は高齢化。高木の柿の木にのぼっては、手間のかかる干し柿にするのは重労働。
しかし味は絶品で高機能。そして青森県は柿の北限。南部の殿様が持ち込んだという
ストーリー性もあり、すでに半分出来上がっています。誰か本気で取り組みませんか?