
ヘレボルス・ニゲル。これこそ正真正銘のクリスマスローズ。
クリスマスに純白の花を咲かせる原種です。
ところがクリスマスイブになっても、せっかくつけた蕾が雪に埋まったままで
このままだと花を見ることができないと心配していました。
ところがどうでしょう。25日は気温がぐんと上がり、雪が溶け始めました。
まさかと思って見てみると、ご覧のように
きれいな花を咲かせているではありませんか。
これぞクリスマスローズ。ちゃんとカレンダーをもっているようです。
ところでこのクリスマスローズ。見応えのある花を咲かせますが
その花はみんな下向き。それも草丈が低いときます。
したがってこのように花の中を覗くには、
花を手で持ち上げるか自分が這いつくばることになります。
自然の中では高台に咲いている花を下から見上げることはできそうですが
花壇ではそういきません。冷たい雪に寝転んでの観察。
それが嫌な人は鉢植えにするしかありません。
このように楽しむにはちょっと面倒なこともあり、玄人の花と呼ばれています。
さて花の玄人といえば2008年に92歳で亡くなったターシャテューダーが思い出されます。
絵本作家でもあり園芸家の彼女は、まさしく森の自然という見事な庭を作り出し
世界中に今もファンがたくさんいます。
でも自然そのものという植栽の多くは、ターシャの手によって植えられたもの。
植えたい場所に背を向けて、球根を後ろ向きに放り投げて落ちたところに植える。
こうするとランダムに植えることになり、自然に見えるとインタビューに答えていました。
ターシャの庭というとイメージはバラですが
確かその庭にもクリスマスローズが植えられていたような気がします。
ターシャの絵本にこんな言葉が書いてあります。
「クリスマスにバラはいりません。5月に雪がいらないように」
なにごとも自然が一番。ターシャの教えです。