2009年に一世風靡した白いりんご。
りんご農家の娘5人たちのアップルガールズが考案した純白のりんごです。
りんごの有袋栽培では収穫前まで果実に袋をかぶせ
真っ白なりんごを作ります。そして収穫が近づくと袋を剥がして
光を当て赤いアントシアニンを発現させます。
白い肌に赤の色素。美しい真っ赤な果実を作る技術です。
彼女たちはこれを逆手にとって、収穫まで袋をかぶせ続け
ご覧のような白いりんごを開発したというわけです。
悪くいえば太陽光を十分に浴びていない未熟果ですが
その後、研究を引き継いだフローラが袋のまま冷蔵庫で1週間ほど追熟すれば
白い肌を保ちながら甘くなることを発見。さらに袋ごと真空パックすると
冬まで保存できることも証明し、たくさんの学会で最優秀を受賞しました。
マスコミに紹介され話題となったこともあり、毎年フローラが栽培しては
文化祭でみなさんに爽やかな甘さを味わってもらっていました。
皆さんが称賛されたのは、インパクトあるビジュアルはもちろんですが
「りんごで想いを届けよう」というコンセプト。りんごといえばお歳暮ですが
白と赤1個ずつ入る小箱を抱え、ケーキや花束のように祝福のアイテムとして
普段使いできたらりんごの消費量が増えるというりんご農家らしい提案は話題となり
天声人語にも掲載されました。またクリスマスには雪のような白いりんごを
飾ろうというアイデアも秀悦。
フローラデビュー作にして最高傑作の商品開発でした。
今日はクリスマス。久しぶりに白いりんごでお祝いしたくなりました。
来年は久しぶりに栽培してみましょうか。