ご覧ください。ふたつのリンゴがあります。
左は奥州ロマンという品種。右はシナノスィートです。
10月下旬から収穫されるこのリンゴは、
最近、みなさんとても美味しいと評判になっています。
確かにいただくと果肉が緻密でジューシーで人気なのもわかります。
でも素直にうなずけないのは私だけでしょうか。
まずはシナノスィート。もちろん名前の通り、長野県で育種された品種です。
平成8年登録と比較的新しい品種ですが、赤くて甘いというので
黄色で大人気のシナノゴールドと並んで安定した人気を誇っています。
生産量の約50%が長野県、青森県は16%ぐらいです。
そして次は赤くて大きな奥州ロマン。
こちらはなんと平成28年登録というホヤホヤの新人ながら
果肉が緻密で甘いというシナノスィートと同じ特徴があり話題です。
育種されたのは岩手県の農家の方。だから「奥州」なんです。
このようにどうも最近、美味しいとみなさんおっしゃるリンゴは
なぜか青森県生まれではないのです。
これにはちょっとリンゴ王国としては
負けているような気がして悔しさがあります。
とはいっても青森県でもどんどん新品種が発表になっています。
もしかしたらまだ生産量が少なく、
私たちが知らない美味しい品種がたくさんあるのかもしれません。
最後に負け惜しみをひとつ。シナノスィートの親は青森生まれの「ふじ」と「つがる」、
そして奥州ロマンはその「シナノスィート」と「つがる」の掛け合わせです。
どちらにもリンゴ王国の血が流れているのです。