
第1農場に入るとすぐ目に入るのが百葉箱。
小学校などによく1個ぐらいあったと思うのですが
なんと名久井農業高等学校には3つも並んでいます。
これはかつて大活躍した気象班の名残り。
ご存知の通り、名久井農業高校は1960年代から
365日、休むことなく気象観測に取り組んできました。
冷害がまだ頻繁に発生していた頃、気象庁と同じ検定を受けた機器で
気象観測する姿はカッコよく、当時最先端を走っていた研究班でした。
その正確なデータは毎月、気象月報として各方面に送付され
市町村はもちろん、試験場でもこのデータを研究に用いていました。
近年、フローラやバブルボーイズ、そしてハンターズが注目されていますが
気象班はもう数段上のステージ。
冷害分析から農家の立場に立った対策研究まで、まさに「半端ない」活躍でした。
農業クラブ全国大会の日本一はもちろん、科学の甲子園といわれる
読売学生科学賞、現在の日本学生科学賞でも2度の学校賞、
つまり日本一を受賞しています。
天皇陛下から頂いた賞状とその写真が当時の本拠地であった
第1農場の事務室に誇らしく飾られていたのを今も覚えています。
そんな気象班もアメダスが各地に配備され活動は終了。
デジタルという時代の変化とともに10年ほど前に幕を閉じました。
この3つの百葉箱は当時の使われていたもの。
よく見ると真ん中の百葉箱はもう朽ちています。
「兵どもが夢の跡」といえばなんだか寂しくなりますが
この場所は名農研究班の魂のルーツ。
ぜひチャレンジ精神発祥の地に足を運んでほしいものです。