緑のカーテンというとゴーヤやヘチマ、ヒョウタンなど
つる性植物を窓の前にカーテンのように這わせて遮熱することをいいます。
都会では壁面緑化としてよくビルに用いられ、
ときどき上京するとそのアイデアと規模の大きさに感心させられます。
こちらは緑のカーテンというよりは家具屋のカーテン売り場。
たくさんのカーテンが等間隔で並んでいます。
さてこの植物はなんでしょう。
青森県南部地方の方ならすぐにピンとくるはずです。
答えはナガイモ。青森県が誇る特産品です。
南部地方はヤマセという低温多湿の北東の風が吹くため
夏になっても気温が上がらないことがよくあります。
そのため津軽地方のようにリンゴ栽培には向かず、
コメも冷害のため皆無作になることもかつてはありました。
しかし気温は下がっても、地下の温度は大きな変化を受けません。
そこで県南地方ではニンニクやゴボウ、そしてナガイモなど根菜の産地となっているのです。
現在は北海道に生産量日本一を譲りましたが、
あちこちでこのようなナガイモのカーテンを見ることができます。
だんだん葉が黄化してきました。そろそろ収穫時期を迎えたようです。
秋に収穫する農家も多いのですが、あえて越冬させて春に掘る方もいます。
収穫は秋でも春でも問題ないのですが、料理をすると味が違うといいます。
秋は新物なので新ジャガ同様、皮が薄く水分が多くてフレッシュ。
春はコクと甘さが凝縮されていて、これまた美味しいという評判です。
2度の収穫期がある青森県のナガイモ。機会があったらぜひ食べ比べしてください。
なおムカゴご飯にするムカゴもこれから収穫です。