この桃の姿をご覧ください。上から潰したように扁平です。
写真を加工しているのではありません。
こんな不細工な桃があるのです。名前は蟠桃(ばんとう)。
平桃とか座禅桃とも呼ばれる中国原産の原種に近い桃です。
「西遊記」の中で孫悟空が9000年に1度だけ実をつけるという特殊な蟠桃を食べ、
不老不死になったという話があるため名前だけは有名です。
日本でも販売されており、珍しさもあって高級果物店では1個1000円もするそうです。
高いだけあって食べてみると実に美味。
姿形からは想像できない美味しい桃なのです。
そんな蟠桃が地元の直売所で売られていました。
価格はなんと6〜7個で300円。格安です。
しかし多くの皆さんは、誰も不細工な蟠桃は買いません。
味を知っているマニアしか買わないのかもしれません。
この桃を初めて知ったのはストックホルムのマーケット。
初めてFLORAとストックホルムに連れて行ってもらった2012年の夏です。
もちろん輸入品だと思うのですが、ヨーロッパでも栽培されているそうです。
変な形なのに美味しいので、帰国してから地元の直売所で探してみると
ごく僅かですが、並んでいるではありませんか。
生産量が少ないらしくタイミングが合わないと食べられません。
今年は偶然、それも1度だけ見つけたので手に入れました。
話によると動物の食害で今年はもう販売できないとのこと。
不老不死になろうと山の猿が食べに来ているのかもしれません。
インターネットでも手に入るようですが高級品。
産直でもし見つけたらぜひ食べてみてください。