この彼は部屋のドアや壁に寒天をくっつけては
細菌数を確認しようとしています。
かつて高校に生物工学(バイオテクノロジー)が科目として
初めて導入された頃は、どの学校もとても熱くなったものです。
中には生物工学科という学科まで作って学校の目玉にしようと
していた農業高校もありました。
ところが今はそんなブームはすっかり冷め、話題にもならなくなりました。
しかしこの分野が廃れたのではありません。
生物工学の学習や研究分野は食糧生産から食品加工、品種改良など
すべての農業や環境分野を支える技術です。
最初は珍しさもあり注目されましたが、よく考えるとこれは技術。
技術だけを持ち上げてお祭り騒ぎをしてもどうにもなりません。
そこで現在はそれぞれの分野に取り込まれてしまいました。
これと同じようなものに情報処理があります。
農業高校でも情報処理系の学科ができ、
ワープロ技能やプログラミングなど先端技術を学びましたが、
こちらも生物工学同様、今はどの分野でも当たり前に使う技術。
やはり今は誰も大騒ぎなどしなくなりました。
自転車は自分の力で進める素晴らしい乗り物で、
その性能を高めるのも大切なことですが、
技術者じゃない私たちに大切なのは自転車でどこに行くか?何をするか?
そんなことから生物工学も情報処理も祭りのあと、
すべての分野を支える技術として定着したのだと思われます。
名農の生物工学研究班も技術を使っていろいろなものに挑戦しています。