
この日は2学期明けで初めての実習。
あいにくこの日の気温はぐんぐんあがり昼過ぎには30度近くなるとのこと。
農業高校の学習は自然を相手にしているので
少々の雨や寒さ、そして暑さから逃げるわけにはいきません。
そこで気温が上がってくる前に作業をすることになりました。
これは右からジョウロ、移植ベラ、またジョウロ、
小さな袋に入っている種子、そして堆肥。
プランター栽培なので耕すものはありません。
ところが、用具を並べてみるとどっぷりと農業をするという雰囲気がなく
まるでテレビでお洒落なタレントさんが楽しみながら
野菜を育てる番組のセットのようです。
プロの農家とどこが違うのでしょう。
クワなどの農具やトラクタなど農業機械が見えなからでしょうか。
よく趣味の園芸は楽しいけれど、プロの園芸はたいへんといいます。
それは少々収量が少なくても栽培するという作業そのものを楽しむ趣味と
家族の生計を立てるための収入を得るプロフェッショナルとの違いです。
趣味なら採算が合わなくても楽しむためのお洒落な用具や小型の機械を買いますが
コストと戦うプロではそうはいきません。
おそらく、そんなプロの決死の覚悟がこの用具には感じられないのだと思います。
栽培するのはどちらかといえば工業系の学習もする環境システム科。
したがって将来、農業経営者になる人は残念ながら少数しかいません。
プロにならない彼らに対して必要なのは、将来いつかやるだろう家庭菜園を
楽しめる簡単な知識と技術。そして楽しい経験。
確かに趣味の園芸です。