
お盆になるとよく目にする風習のひとつに精霊馬・精霊牛があります。
キュウリが馬でナスが牛。ご先祖様の乗り物です。
なぜ2種類必要なのでしょうか。
実はご先祖様がこちらに帰ってくる際に乗るのが精霊馬、
お帰りになる際に乗るのが精霊牛と違うからです。
早く帰ってきてほしいので馬、ゆっくり帰ってほしいので牛。
そんなご先祖様への思いが込められています。
調べてみるとこれは全国的なものではなく、
関西の方ではこのような風習がないところもあるようです。
しかし残念ながら、この田舎の青森県でも、
ナスの牛やキュウリの馬を目にする機会は減っています。
それどころか地域ならではの風習や郷土料理も消えつつあります。
子供の頃に経験しなかったことは、伝承などされるはずがありません。
そこで農業高校では、これらの風習やその由来を紹介したり
実際に体験してみる授業をすることがあります。
なぜ家庭科ではなく農業で教えるのでしょう。
地域のほとんどの風習や食は、かつての自給自足の暮らしの中から生まれたもの。
つまり地域の風習を知ることは、地域農業のルーツを学ぶことになるからです。
教科「農業」では伝統的な芸能や風習、食を守り伝えるのも大切な使命なのです。
しかし暮らしそのものだった農も、いつの間にか生業となり
経済性などを追求する農業となりました。
昨日は終戦記念日。戦争体験をいかに伝えていくかという話題が毎年出ますが
こちらも果たしていつまで先人の苦労や知恵を伝えていけるのか不安を感じます。
さて来週金曜日はもう始業式。果たしてコロナの夏、
名農生はどんなお盆を体験してきたのでしょうか。調べてみたいと思います。