この春、卒業したバブルボーイズ。
チームフローラフォトニクスから現在のトレジャーハンターズに移行するまでの
空白の1年を埋め、名農の環境研究を今に引き継いでくれたという意味で
地味ですが大きな役割を果たしてくれたレジェンドです。
彼らが取り組んだのは泡による農薬散布。
風による飛散を抑制するだけでなく、散布量を減らすというユニークな研究は
学会やコンクールなどさまざまな場面で高く評価されました。
特に3年次ではコカコーラ環境教育賞で文部科学大臣賞を受賞しています。
こんな大活躍をしていて、どこが地味なのでしょう。
実はどうしたことか日本一、それも大臣賞を受賞しているにもかかわらず
県や町に表敬訪問するなど華やかな機会がまったくなかったのです。
また先月、日本水環境学会から昨年の最優秀校として表彰されましたが
本当であれば3月に彼らが岩手大学で受賞する予定でした。
たくさんの学会員の前でのスピーチも依頼されていましたがコロナで中止。
バブルボーイズ最後の晴れ舞台もなくなってしまいました。
「無冠の帝王」という言葉がありますが、
彼らはたくさんのタイトルを取っているにもかかわらず
帝王と呼ばれなかった悲しい運命でした。
そんな彼らが研究の参考資料にしていたのがこの絵本。
合成された展着剤ではなく天然の植物成分で農薬を泡にするため
見つけた絵本です。ここに出てくる植物がムクロジ。
果皮にサポニンを大量に含んでいるためシャボン玉が作れると書いてあります。
実際に試してみると薬液が泡になりました。これには驚いたものです。
馴化温室には彼らの参考資料である色あせた絵本が今も残されています。