第3農場を歩くのは気分の良いものです。理由は豊かな緑と土の匂い。
温室で水耕栽培ばかりして農業の魅力を忘れがちな環境システム科の私たちにとって
とても新鮮に感じるからです。露地栽培の開放感を感じながら
歩いていると、こんな面白い畝を見つけました。
栽培されているのは赤シソ。でも注目するのは緑色のポリマルチです。
皆さんはなぜ畝をポリフィルムで覆うかご存知ですか。
土を柔らかな状態で保つこと、土壌流出を防ぐこと以外にも2つあります。
ひとつは地温を高める効果。土が温室のように暖かくなることから
春先に植え付けるなど高い地温が欲しい場合に用います。
当然、この場合、光が土に直接当たるように透明のマルチを使います。
もうひとつは雑草抑制効果。草が生えやすい畑などで用いますが
この場合は光がマルチの中の植物に当たらないよう黒色を使います。
これを逆に使ったら逆効果。地温は上がらないし、草は生え放題となります。
マルチはこのほかにもまだ色があります。白は夏場の地温上昇を防ぐ効果。
関東や関西など気温が高い地域で用います。
またシルバーとか黒にシルバーのラインが入っているものもありますが
こちらはアブラムシ対策。眩しい光を嫌うアブラムシは日中、葉の裏に隠れますが
畝に張ったシルバーマルチで太陽光を反射させ寄せ付けないというアイデアです。
ではこの緑のマルチの効果はなんでしょう。
それは黒と透明のWの効果。緑は半透明なので光が入り地温を高めます。
さらに透明ほど光が入らないので雑草もある程度抑制できるのです。
とはいっても専用のマルチに比べると効果は落ちます。
何色を使うか、畑や栽培作物の特徴、コストや労力、収量などの関係を考慮し
適切なマルチングの色を選択しているのです。
さて今名久井農業高校は来週月曜日が1学期の修了式。
名農は早々と夏休みに入ります。