
左官屋ハンターズの頭領とも言える代表が練った三和土。
出来上がったものはバケツに入れられビニールハウス内に運ばれています。
温室に待っているのは二人のハンターズ。
彼らは移植ベラで土に集水システムの型枠を作り、
そこに三和土を流し込んでいるのです。
形はまさにブーメラン。それも翼が40cm以上もある大型です。
赤玉土をベースにした三和土なので茶色。
今までにないちょっと派手な感じです。
二人のハンターズがそれぞれの勘で枠を作り、流し込んだら
今度は締め固めするメンバーの出番です。
今回はビニールハウスにあった鍬を使って、文字通り叩いて鎮圧しています。
左官屋ハンターズはこのように職人集団となりました。
さて練って叩くから「タタキ」、土と砂と消石灰の3つを混ぜるので「三和土」といいますが
時と場合によっては土と消石灰だけで締め固める場合があります。
その時は「二和土」と書いてタタキと読むようです。
職人の世界で受け継がれてきた技術なので、
三和土を論文にしたものはあまり多くありません。
でも先日、「二和土の締め固め」という論文を見つけました。
何と発表されたのは1937年。京都帝国大学とあります。
その論文は「二和土の締め固めについて、なすべき研究は頗る多い」と締めくくっていました。
やはり三和土が今よりもポピュラーだった当時でも
職人の勘が主流で科学的に分析されていなかったようです。
ハンターズがこの作業を終えて数日たった頃、ある先生がやってきて何やら謝ってきます。
ビニールハウスで作業をしていたら、三和土を間違って踏んだとのこと。
心配になって見に行ったら、毎日続く雨で三和土はまだ硬化おらず
へこんだだけで折れてはいませんでした。
早くお日様が出てきてほしいものです。