
名久井岳を背景にした水田の風景です。
この地域には津軽地方のように広大な平野はないため、
大きな水田はありません。
でもこれが南部町の原風景ではないかと考えられます。
いやいや南部町はフルーツの里。
原風景は名久井岳と果樹園ではないかという方がいるかもしれません、
確かに南部町は今でこそフルーツの里として有名ですが
おそらく昭和の初期までは米やアワ、ヒエ、そして麦やソバなど
雑穀や野菜などが中心で、果物などは
あまり栽培されていなかったのではないでしょうか。
なぜなら当時は自給自足の生活。
お腹を満たす主食を作らなければならないからです。
それに比べて果物は換金作物。
生活が豊かになることで初めて食べるようになるからです。
そんなことから南部町のフルーツの里としての歴史は
それほど古くないと想像していますが、皆さんはどう思われますか。
昔から、春から夏に変わっていくこの季節には必ず青森県の太平洋側では
低温多湿の冷たい偏東風「ヤマセ」が吹きます。
かつては夏でも吹き止まず大きな冷害を何度も引き起こしました。
ヤマセに震えながら小さな水田と畑で自給自足。
そんな南部町の原風景を想像していると、
いつのまにかヤマセが吹き始め、だんだん気温が下がってきました。