
クリスマスローズに白い袋が被されています。
これはお茶の葉を入れる茶こし袋。
よく煮出して麦茶などを作るのに使う不織布の袋です。
その茶こし袋で何をしているのでしょう。
実は採種。クリスマスローズは受粉すると
子房が風船のように大きく膨らみ、
その中に米粒大の黒褐色の種子ができます。
そして熟すと袋が破け、周囲に種子をこぼすのですが
人工授粉などして種子が欲しい場合、この特性はちょっと困ります。
なぜならせっかくの種子がどこかにいってしまうからです。
そこで考えたのが茶こし袋で花ごと覆ってしまうこと。
これなら飛び散っても袋の中に種子が入っています。
またバラなどの人工授粉をする場合は、
雄しべと花弁を全部むしり取り、
裸の雌しべだけにしてこの袋を被せて
お目当ての品種のバラが開花するまで待機。
そしてタイミングを見て袋を外し受粉させ、
その後は別の花粉がつかぬよう、また袋を被せて結実を待ちます。
このように茶こし袋は育種家にとっては必需品。
通気性もありとても便利です。
さて今年は、どんな種子が採れるでしょう。楽しみです。