
シルバーグリーンの細い葉。細いけれど硬い茎。これはラベンダー。
知らない人はないといっても過言ではない抜群の知名度を誇っています。
なぜなら北海道富良野の息を飲む絶景、
アロマテラピーで一番人気の眠気を誘うリラックスする香り、
さらにポプリにしたりドライフラワーにしたりと
活用法も都会的でおしゃれなイメージをもっているからです。
でもこのラベンダー、実は草花のようで低木。
樹木の仲間というのは意外と知られていません。
ではラベンダーといえば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
映画「時をかける少女」を思い出す人はいませんか。
未来から来たタイムトラベラーと女子高生が主役の青春映画ですが、
ラベンダーの香りが映画の中で大きな役割をしていました。
主演は原田知世さん、撮影は尾道。1983年公開の古い映画ですが
甘酸っぱい青春映画とミステリーを融合させた不思議な作品でした。
実は監督の大林宣彦さんと20年ほど前、作品についてお話しする機会がありました。
当時、生徒たちと制作した植物のネクターガイドをテーマにした科学番組が
東京ビデオフェスティバルという国際大会でなんとか入賞してしまったからです。
東京恵比寿のガーデンプレイスで行われた表彰式に参加しましたが
周りの人たちは半分が外国の方々。生徒と顔を見合わせ焦った記憶があります。
大林監督は審査員をされていて、私たちの番組をとても評価してくださいました。
そんな監督も、今年4月に永眠されました。
ラベンダーを見ると今も映画と祝賀パーティーで親しく話してくださった
優しいけれど情熱あるお話が思い出されます。