「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」
この衝撃的な書き出しで有名なのが
梶井基次郎の短編小説「櫻の樹の下には」。
満開の桜が不思議なぐらい生き生きと美しいのは、
樹の下に屍体が埋まっていて、
その腐乱した液を桜の根が吸っているからだという文面は
なかなかのインパクト。機会があったら読んでみてください。
さてここは第2農場の大きな桜。
残念ながら誰に見られることもなく、ひっそりと満開を迎えています。
かつて、この付近には桜の木がもっとありました。
しかし環境システム科の本丸である工業棟と施設園芸実験室、
そしてソーラーパネルを建てる際、
どうしても邪魔になることから大きな木が1本切られてしまいました。
しかしさすがに気が引けたのか、環境システム科の1回生が卒業する時、
この近辺の邪魔にならない場所に、無事卒業したお礼を兼ねて、
桜の木をみんなで記念植樹していきました。
きっと彼らも桜が持つ不思議な力を感じていたのかもしれません。
ところで環境システム科の建物を作る際、取り除かれたのは桜だけではありません。
かつてここは鶏舎と豚舎だったのです。
すでに使われていない古い建物でしたが、かつての畜産科の本拠地。
したがってこの桜の樹には鶏と豚の命が宿っているのかもしれません。