
ファインダーが潰れ、ボディが歪んだカメラ。
理由は事故。30年以上も前、農道の脇にカメラを置いて
研究班の指導をしていたところ、置いた場所が悪かったのか
なんと自動車にひかれてしまったのです。
もちろんレンズは大破してしまいました。
事故にまったく気づいていなかったので後で発見しびっくりしました。
しかし農業高校では毎日のように研究活動の時間があり
生徒の活動や作物の生育を記録しなければならないため
落ち込んでなどいられません。
急いで同機種を購入して生徒たちの活動を記録していましたが
ある日、壊れたカメラを動かしてみるとなんとシャッターが切れます。
そこで試しにフィルムを入れて撮影したら、ちゃんと写るではありませんか。
専門家が見たら歪みなどあるかもしれませんが
素人の私たちが見る限りは、まったく問題ありません。
昔からNikonのカメラは世界のジャーナリストに愛用され
戦場や災害の様子を記録してきましたが
その理由のひとつは、優れた描写力と酷使に耐えられること。
自動車に踏まれてレンズが破壊されてもボディーが生きているとは驚きです。
おかげでその日から2台のカメラが使えるようになり
とても重宝したのを覚えています。確か20年ぐらいは使ったはずです。
そんなタフな35mmカメラたちは、動くのに今はみんなお役御免。
アナログからデジタル。技術革新はある意味残酷です。