
馴化温室脇で南高梅の花が咲き始めました。
作物にはいろいろな名前がありますが
この「南高梅」というウメの知名度は群を抜いています。
よくスーパーマーケットやデパートで梅干しが並んでいますが
必ずといっていいほど南高梅を使用していると誇らしく表記されています。
地域団体商標制度というものがありますが、この南高梅は第1号登録。
最高級の品質とそれを生産する地域として認められています。
さてなぜ南高梅というかご存知ですか。
和歌山県には南部(みなべ)町というウメの産地があり
いろいろな種類のウメが栽培されていました。
そこでどのウメが一番優れているか数年にわたり調査が行われ
選ばれたのが大きな果実が特徴の通称「高田梅」と呼ばれるものでした。
この調査を行ったのが南部高校園芸科の生徒たち。
そこで南部高校の通称「南高」と高田梅の「高」をとって
あらためて「南高梅」として命名されたのです。
南部高校は農業高校なので、よく農業クラブの全国大会に出場され
ウメの研究発表をしてくれます。
昔、「私たちには自動車を発明した責任がある」という
メルセデスベンツの名キャッチコピーがありましたが、
それと同様で本家本元に大上段でかまえられたら
他は色がかすんでしまい、なかなか太刀打ちできないものです。
そんなトップランナーである南部高校は他の学科が閉科しても
名門園芸科だけは存続させてきました。
しかし平成29年についに園芸科も募集停止。
そして今年、和歌山県は南高梅の後継として新品種「星秀」を発表しました。
時代は流れています。