新型コロナウイルスの影響でバタバタの卒業式、さらに入学試験と
落ち着かない毎日がもう1ケ月にもなろうとしています。
先日、温室の方に行ってみると足元に緑色のフキノトウの蕾が顔を出していました。
知らないうちに春が名農キャンパスに来ていました。
さてフキノトウはフキの蕾で、食べることもできますが苦いのが特徴。
したがって一般的にはもう少し待って出てくる葉の葉柄部分を食べます。
しかし独特の香りが強いうえ、シュウ酸が多いので生では食べません。
もっぱら水煮してアクをとってからということになります。
今から何年前でしょう、フローラのある男子メンバーが
一人で黙々とこのフキについて研究したことがあります。
目的は生食できるフキの栽培技術の開発。
遮光してシュウ酸の生成を抑制し、生でも食べられるようにしたいと取り組みました。
2年間取り組んだ結果、もみがらやオガクズで葉の付け根までしっかりと遮光すると
香りとアクが抑えられ、なんとウドのように生で食べられることを発見しました。
分析の結果、シュウ酸は生食するトマトよりも減っているのです。
彼はこれを「サラダフキ」と名付け、軽く水洗いしてドレッシングで食べさせてくれました。
すると今までにないシャキシャキした食感がみなさんが評価され、本人も大満足。
その勢いで植物学会で発表し、フキの遮光とシュウ酸の研究は入賞したはずです。
さらに京都大学で開催されたテクノ愛でもグランプリを受賞。
これには他のメンバーもびっくり。そして大喜びした記憶があります。
春が来てフキノトウを見ると、いつも思い出されます。