
これは2014年に発表したサクラソウ研究の一部。
かつて種差海岸には右側の赤い楕円で囲んでいた辺りに
大きな野生サクラソウの自生地がありました。
今も昔もこの地域は馬産地ですが、
当時ここは広々した放牧地だったそうです。
サクラソウも花粉を媒介してくれるマルハナバチも明るい草原が大好き。
人の手の入らない原野ではなく、
馬によって適度に草を食べられた里山はまさに最適な環境だったのです。
ところがリゾート開発が盛んになると、
種差海岸の風が観光には邪魔になります。
そこでこの地域に赤松が大量に植えられました。
写真に見える松林がそれです。暗い森が嫌いなサクラソウは
そのためどんどん明るい海岸へと自生地が動いていきます。
ピンクの楕円形が今の自生地ですが、まるで逃げていくかのようです。
これは地域の方の聞き取り調査によって得たもの。
調査しているフローラに地元の方がいろいろ教えてくださいました。