
2011年の東日本大震災をきっかけにサクラソウ救出に立ち上がったフローラ。
園芸科学科時代のフローラを知っている皆さんから見ると
サクラソウ研究はまさにフローラの代名詞でした。
それだけ女子高生が真剣に震災復興に立ち向かう姿は心を打つものでした。
ところが10年間活動したフローラが、サクラソウ研究に取り組んだのは実はわずか4年間だけ。
意外にも短いのです。2011年に県知事の命令を受けサクラソウの種子採取。
その夏には、全国のサクラソウ愛好家のアドバイスを受けに発芽に成功。
2012年の春にはなんと1輪の花が咲き、遺伝資源の確保に成功しました。
これは地元の特番はもちろん、NHKの国際ニュースでも取り上げられ
全国からたくさんの激励のお便りや支援物資をいただいたものです。
このように4年間の前半2年は救出が目的でした。
確かユニフォームにも大きなレスキューという文字がありました。
そしてサクラソウが自然の力で蘇ってきた2013年から2014年までの
後半2年間の活動は、環境保全の提案。
調べれば調べるほど種差海岸のサクラソウの未来が危ういことに気がついたフローラは
その対策案を提案し、保全生態学の専門家のアドバイスを受けながら実際に試みています。
もちろんこれらの活動成果は、農業クラブのプロジェクト発表会でも披露していますが
発表したのは活動をすべて終えた2014年。活動の真っ最中は手が回らなかったのです。
満を持しての発表は、まさに活動の集大成。自生地を将来に残すための提案を披露し
潔くフローラはサクラソウ保全活動から身を引きました。
「花物語」。これはフローラの研究発表題ですが
面白いことに、いろいろな発表でこのタイトルを何度も使っています。
震災から立ち直っていくサクラソウや
絶滅危惧種になった原因を探るストーリーを表したものですが
サクラソウによって変わっていくメンバーやフローラそのものの物語でもあるからです。
今日は9年目の3.11です。