
環境システム科では草花や野菜など施設を活用した農業を学びます。
施設栽培は露地同様、植物生理を利用して栽培法を工夫できますが
栽培場所が建物の中なので、いろいろと設備にも工夫することができます。
かつてフローラが草花班から環境班に移行した際、
最新技術でガラス温室のガラスそのものに工夫を加えたら
温室内の気温や光を自在に変えられ
とても便利な施設となるので、実験しようかと考えたことがあります。
この日、羽田から伊丹に向かう飛行機の窓ガラスに
当時、検討のひとつにあがった調光ガラスを見つけました。
窓ガラスの下にボタンがありますが、これを押し続けると
写真のように次第に青暗くなり、遮光してくれるのです。
温暖化が進む今、北国といえども暖房よりも
夏の暑さをいかにしのぐかが重要な技術となりつつあります。
そこで光や熱線を制御できるこのようなガラスで温室を作ったら便利だと思い
実験を考えたのですが、想像通り高価なもの。
サンプルさえ手に入れることができませんでした。
すっかり忘れていた今、こんなところでお目にかかるとは驚きです。
あれから何年も経ちますが、残念ながらこのガラス、
私たちの身の回りで見かけることはありません。
優れた技術ですが、きっとコストがかかるんでしょうね。残念です。