12月、2学期修了式の前日、名農ではプロジェクト発表会が開催されました。
農業高校では研究活動をプロジェクト活動、
その発表会をプロジェクト発表会と呼んでいます。
これは農業高校が課題解決学習をプロジェクト学習と呼ぶのが理由です。
今、この課題解決学習が改めて注目されています。
なぜなら2022年度から導入される新学習指導要領のキーワードは「探求」。
理数科はもちろん、社会や国語などでも探求要素を取り入れた科目が新設されています。
また課題解決学習の先進地といわれるスウェーデンなど北欧の教育が
再び話題となり、視察に行く関係者がまた増えているともいいます。
ところが新しい教育の視点は理解できても、実際に指導する方はとても大変。
経験がない先生がたくさんいるからです。
以前「ゆとりの時間」があまり機能せず、いつしか消えてしまいました。
いろいろ原因はあると思いますが、生徒が主体的に学ばせる授業の指導経験がないため
すべて生徒が考えるのだから、こちらは何もしなくて良いと
勘違いしてしまったのも理由のひとつだといわれています。
でも考えてもみてください。何の経験もない生徒に
自分で考えて活動しなさいといっても、どうすれば良いかわかるはずがありません。
したがってある程度軌道に乗るまで先生が導いたり、
モチベーションを高める手立てをさまざま講じなければなりません。
先生が教え込むティーチングと違い、コミュニケーションをとりながら
モチベーションを高め、自ら学び出すよう導くコーチングは
じっくり待つ時間が必要。ところがなかなかそれが我慢できないのです。
どのようにするとやる気が出るかは、個人によってさまざま。
したがって神様のような万能のマニュアルなんてありません。
しかし農業高校の先生方はまったくあわてていません。
なぜなら課題研究の指導に長年取り組んできたからです。
その歴史は60年以上。その指導の大変さもその教育効果もみんな知っています。
もし指導に困ったらぜひお近くの農業高校を訪ねてみてください。
きっと役立つテクニックをお持ちだと思います。