
これは校長室にある大型液晶テレビ。
画面の下の部分にこのようなシールが貼ってあります。
これを見ると京都大学で開催される科学アイデアコンテスト
「テクノ愛」でいただいたことがわかります。
ここで注目したいのが年号。「09」とあります。
つまり2009年にテクノ愛でいただいた副賞なのです。
2009年といえばフローラ結成の年。
ということは初代メンバーが受賞したのでしょうか。
人に問われると面倒なので「そのとおり」と話しますが本当は違います。
2009年、本校に赴任して園芸科学科の所属となったので
園芸科学科2年の男子5名と課題研究でチームフローラフォト二クスを結成します。
しかし課題研究は3年生にもあります。
そこで今はなき生活科学科の女子5名の面倒もみることになりました、
彼女たちは2010年3月に卒業するため、わずか1年だけのおつきあい。
そこでみんなで考えたのがあの「白いリンゴ」。
袋を最後まで被せたまま収穫するという常識破りの栽培法でした。
アップルガールズと名乗った彼女たちはその年のテクノ愛に
初代フローラとともに応募し、嬉しいことに2チームとも決勝に残りました。
フローラは忘れもしない最初の研究である「ミニナデシコ」。
ナデシコに強い光を照射することで伸長を抑制させる草花班らしいアイデアで
フローラフォトニクスと名乗るきっかけとなった研究です。
確かテクノ愛で優秀賞を受賞したはずです。
それに対してアップルガールズは絶好調。「白いリンゴ」はなんとグランプリを受賞し
その後、朝日新聞の天声人語やNHK、民放のテレビ番組に引っ張りだことなります。
このテレビはそんなアップルガールズがテクノ愛でいただいた副賞。
現物支給だったため、分けることもできず今も校長室に置かれているのです。
なお生活科学科は彼女たちの卒業と同時に学科改編により閉科。
そのため白いリンゴの研究はその後、園芸科学科のフローラが継承しました。
そして姉貴分である彼女たちの活躍に刺激を受けたフローラは
翌年のテクノ愛決勝に3テーマも送り込み、ワンツーフィニッシュしています。
超新星爆発のように生活科学科の最後の一瞬、
大活躍したアップルガールズの足跡が学校に今も残されています。