
生物生産科は名農祭でダイコンやゴボウなど新鮮野菜を販売します。
それも数kg入っている大袋での提供です。
そのためお客様は自動車まで重い野菜を運ばなければなりません。
でも大丈夫。駐車場までちゃんと生物生産科の生徒が運んでくれるのです。
だから高齢者の方も安心。こんなおもてなしも名農祭の人気の理由です。
そんな生物生産科の野菜販売ですが、農場では販売しないものがあります。
それがこの南部太ねぎ。校内の生物生産科展だけの限定販売なのです。
昔からこの地域には南部太ねぎという在来種がありました。
太いうえに柔らかく甘い味は地域の逸品として
農家の方の自家消費やこの地域だけで愛されてきました。
しかし近代化が進み、次第に野菜が現金を得る商品となっていくと
柔らかい特性が逆に輸送上の欠点になっていきます。
そんなことで生産者はどんどん減少。
気がつくとたった一人の農家だけが
細々と自家用に栽培するだけになっていました。
10年前、絶滅寸前の南部太ねぎに着目したのが名農生物生産科の野菜班。
農家から分けてもらい栽培しては学校で自家採種し、
地域の農家に栽培を呼びかけていきます。
共感した町がバックアップしたこともあり、生産農家も少し増え始め
再びあの甘く柔らかい味が復活したのです。
この活動はテレビのダッシュ村でTOKIOの取材を受けるほど大きな話題となりました。
チームフローラフォト二クスの結成とほぼ同時に活動を始めた野菜班は
新しい技術を追い求める前衛的なフローラとは正反対に
地域の在来種復活にすべてをかける正統派農業研究グループ。
お互い切磋琢磨しながら大活躍したものです。
そんな話題の南部太ねぎが直接、あの野菜班から購入できるのですから
今年もたくさんのお客様が詰め掛けました。
県外では販売しないことにしている南部太ねぎ。
皆さんは食べたことがありますか。