バラが大きな実をつけました。
かつて研究チームのメンバーとバラの育種に取り組んでいた時があります。
なぜならあまりにも簡単にできるから。
開花する6月、咲く直前の蕾の花弁を全部むしってしまいます。
そして他の花粉が飛んでこないように
不職布でできた茶こし袋を被せておきます。
そして花粉親にしたいバラから葯をとり
柔かな筆に花粉をつけて不織布をとり雌しべにつけます。
たったこれだけで受粉完了です。
うまくいくとこのように花の付け根が膨らんできます。
これをローズヒップといい、中に種子が入っています。
飾りにする人もいるぐらい秋になると赤く色づく実はかわいいものです。
熟したローズヒップの中から種子を取り出して播種すると
なんと翌年には芽を出し、なかには開花する株もあります。
つまり受粉したよく年には花を見ることができるのです。
これは開花まで3年もかかるランやクリスマスローズとは大違い。
時には親とはまったく違う花を咲かせることもありびっくりします。
気にいった花が咲いたら、少し育てて挿し木で増やせば
世界にひとつだけの花を自分のものにできるのです。
咲いた花を楽しみ、実を楽しみ、そして新しい花を楽しむ。
バラの奥深い楽しみ方です。