こちらは1年生の研究生が取り組んでいるワタの栽培。
先ほどのハンターズの先輩にならって塩害土壌で栽培されています。
ご覧ください。やはり何もしない左よりも
ちょっと処理した右の生育が良いことがわかります。
ハンターズの先輩は植物による除塩に取り組んでいますが
1年生は塩害地域での作物栽培。
つまり塩害を受けた地域でいかに収穫を確保するかを研究しています。
吸い取ってしまう除塩と食べるための栽培。
目的が違うため1年生は先輩とは別の処理で塩害土壌に挑んでいます。
ではなぜ寒さに弱いワタを選んだのでしょうか。
実は塩害は何も沿岸だけで発生しているわけではありません。
乾燥地域や半乾燥地域では水分の蒸発によって
土壌の塩類が表層にたまる塩類集積が起きているのです。
そんな南の国々で換金作物として栽培されているのがワタ。
そこで数ある作物の中からワタを選択したのです。
おそらく初めてみる綿の花の美しさに驚くのではないでしょうか。
乾燥地域やビニールハウス内での塩類集積は
農業の教科書にも載っている大きな問題ですが知識だけでは解決できません。
活字だけで理解せず実際に畑に戻って自分の目で確かめ
さらに対策を試してみる学習は、理解を深めるだけでなく
次なる課題に向かう意欲をぐっと高めてくれます。
「農学栄えて農業滅ぶ」という言葉がありますが
フローラが考案した研究実践を通した人材育成法は
今年も確かな手応えを感じています。