ここは駐輪場。自転車通学している名農生が自転車をとめる場所です。
たくさんの緑の葉が屋根がわりになって日差しを弱めてくれるので、
ここは夏でもひんやりできる避暑地となっています。
しかしとまっている自転車はあまりありません。
それはどうしてでしょうか。
実は生徒の多くが保護者の自動車による送り迎え、
そして電車やバスを使った通学になったためです。
かつてはバイク通学生(とはいっても原付ですが)もいたのですが
現在はこの制度を利用する生徒はいません。
バイク免許取得は水田の水管理など家の農作業を手伝うというのが条件。
それだけ農家の子弟が減少し、また農家の子弟でも
手伝いがいらないぐらい機械化が進んでいるのだと思われます。
さて水田の水管理といいましたが、
農家は水田にいつ水を入れて、いつ止めるのでしょうか?
一般的に水は朝止めて、夕方に入れるが正解。
日中は冷たい水の流入を抑えるとともに水深を浅くし
逆に夜は水を入れる作業を毎日しているのです。
その理由は光合成。日中は温度をあげて光合成反応を活発にさせ
夜は温度を下げてイネの呼吸量を抑えるためです。
当たり前ですが、農家のおじさんたちは
きちんと植物生理に基づいた管理をしているのです。
たくさんの水田の水を入れたり出したりするのは広いだけに時間がかかります。
だから手伝う生徒もバイクが必要で、そのため特別に通学も認めていたのです。
バイクがなくなった駐輪場から現在の農家事情が見えてきます。